止まらない食材高騰…値上げの波は “缶詰” にも 飲食店やメーカーなど試行錯誤が続く中、マグロでない新たな“缶詰”開発も(静岡県) 

原材料の価格高騰により、私たちの食卓で身近な「缶詰」の価格も値上がりしています。そんな中、ある魚を使った新しい缶詰が発売されました。

こちらは静岡市清水区の「むすび屋」 25種類の弁当や総菜を取り扱っていますが、看板メニューは梅や昆布、サケなど約15種類もある「おにぎり」 この店も食材の高騰に悩まされています。

(掬屋 滝本 好男さん)

「これがおにぎりの具材としては一番高い」「ちりめん」「去年の暮れからことしにかけて倍近く、1キロ1万円くらいまで上がっていた」

中でも、ツナをはじめ、サケやイクラなどといった海産物は続々と値上がりしているといいます。この店では2022年、おにぎりを値上げをしたばかり。食べ応えを重視しているため、同じ具の量を維持するためには、さらなる値上げは避けられないと考えています。

(掬屋 滝本 好男さん)

「来月くらいから、また値上げをせざるを得ないというところまで来ている」「おにぎりは消費税を入れると200円を超える、客がどのように捉えてくれるか」

食材高騰の影響は、静岡県内で数多くの種類が作られている「缶詰」にも。新東名高速の静岡サービスエリアでは…

(伊藤 薫平 アナウンサー)

「店内にはおよそ80種類の缶詰が並ぶ人気のコーナーがあります、実はこの缶詰にも、ある異変が起きています」

お土産や保存食としても根強い人気がありますが、店長は、2022年の同じ時期と比べ価格が上がっていると話します。

(しずおかマルシェ NEOPASA静岡 三瓶 祐希 さん)

「だいたい一割強ぐらい(価格が)上がっている」「売上件数としては、昨年と比べると2割減くらい」

食材だけでなく、缶や包装資材の高騰も値上げの要因になっていると話します。

(しずおかマルシェ NEOPASA静岡 三瓶 祐希 さん)

「原材料だけではなく、缶詰の包装資材の値上げもあるので、(値上げは)致し方ないのかと」

こうした中、新たな「缶詰」を開発し、危機を打開しようとする企業も…。シーチキンで有名なこちらの企業が、今週から新たに発売したのは…なんと“ブリ”を使用した“シーチキン” その名も「エブリ」

これまでは、キハダマグロやカツオなどを使っていましたが、42年ぶりに新しい魚を使い、ツナと同じような缶詰を開発。マグロとブリとでは、見た目や味に違いが出るのでしょうか?

(伊藤 薫平 アナウンサー)

「両者共にこのほぐしめのサイズそして質感はほとんど同じです、ですがブリの方が若干色が濃いかなという印象です」

「ほとんどマグロと味の差は無い感じがしますね、目を閉じて食べたらほとんど同じ味です」

開発に5年をかけたというこの新商品。なぜ、ブリでシーチキンを作ったのでしょうか?

(はごろもフーズ 開発部 西村 伊代さん)

「近年の漁獲量の減少や(魚の)価格高騰あり、安定的にシーチキンを届けたいので、ブリを追加した」

原材料の安定供給が課題となる中、マグロやカツオは漁獲量が不安定なうえ、近年、海外からの需要も高まっている事を受け、マグロと同じように加工がしやすく、比較的に手に入りやすいブリを新商品の食材に選んだいう事です。止まらない食材高騰の波を受け、飲食店やメーカーなどの試行錯誤が続いています。

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