検察が不起訴を示唆か 取り調べの録音内容が明らかに 広島・大規模買収事件

河井克行 元法務大臣と妻の 河井案里 氏による大規模買収事件を巡り、検察が被買収側の議員(当時)に対して不起訴を示唆し、供述を誘導するかのような取り調べの録音メモが明らかになりました。

取り調べの音声データは、元広島市議の 木戸経康 氏が検察から取り調べを受けたときに録音していたものです。

起訴状によりますと、木戸経康 元広島市議は4年前の参議院選挙をめぐり、河井案里氏を当選させる目的と知りながら、夫・克行元法務大臣から現金30万円を受け取った罪に問われています。

木戸元市議は、7月に広島地裁で開かれた初公判では、「封筒を受け取った当時は現金を受領した認識はなく、買収報酬の認識もない」などと無罪を主張しています。

24日、木戸元市議の弁護人が、取り調べの録音の一部を抜粋し、文字起こししたメモの内容を明らかにしました。

メモには、検察官と木戸元市議のやりとりが文章で記されています。

●2020年4月27日の取り調べ

検察官
「全面的に認めて、それで反省してるんだということ出してもらって、それであの、いい話なんです。それで、あのーなんとか処分を、あのー不起訴であったり、えーもうなるべく軽い処分にと。いうふうにしたいと思って」

木戸元市議
「なるべく言うて、軽い処分いうことは、もう、処分じゃけえ、だめなんでしょう。」

検察官
「いや、処分って不起訴も処分ですから」「いずれにしてもまあ、処罰の、彼らの処罰のためには、もうぜひそういう供述を…」

※原文まま

木戸元市議の弁護人は、「検察官に一貫していたのは、河井夫妻を有罪にするための供述をしてほしいという立ち位置。検察と河井夫妻が対立していて、木戸氏を第三者の立場にあるような言い方で取り調べていることが問題だ」などと指摘しています。

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