【佐伯】佐伯市海崎の小田開発工業(小田剛史社長)が、夏の現場用として「ヘルメット装着日よけ」を作った。材料は使わなくなった作業服。エコと暑さ対策を兼ねたアイデア製品で、「デザインがかわいく、想像以上に涼しい」と社員の評判も上々だ。
きっかけは昨夏だった。女性社員が工事現場での熱中症予防に市販の日よけを買おうとしたところ、使っているヘルメットに合うかどうか分からず断念したことがあった。
この頃、同社は作業服の再利用を模索中。夏と冬の年2回、作業着を支給しているが色落ち、袖の一部汚れなどだけでまだ着られるものも多かったという。
「作業着の背中部分はきれいで、生地もいい。日よけに使えると感じた」(山本匠子HRD採用リクルーター)。作業着と日よけを結び付ける試みが始まった。
「首に髪がまとわりつかないように」「日差しからなるべく顔を守れるよう長めに」―など、4人の女性社員の声を反映。オーダーメード服などを手がけるクラソアトリエール(大分市)に製作を依頼し、完成にこぎ着けた。
男女兼用で、中央部分には髪を外に出せ、風通しにもなるスリットを入れた。
山本リクルーターは「日焼け防止、暑さ対策はもちろん、SDGs(持続可能な開発目標)につながる取り組みになった。現場で使うとともに、社外からの作業服の回収と再利用を進め、受注販売にもつなげたい」と話した。