大分国際情報高ボランティア部が「出張本屋さん」 27日、学校近くで初活動【大分県】

「出張本屋さん」活動を始める大分国際情報高ボランティア部の部員

 【大分】大分市新貝の大分国際情報高ボランティア部は、イベント会場などで新刊の絵本や児童書を気軽に手に取れる空間を提供する「出張本屋さん」活動を始める。手始めとして27日、学校近くの会社駐車場で開く。子どもや子育て中の人に本との触れ合いを楽しんでもらおうと張り切っている。

 同部の現在の部員は1、2年生20人。被災地や発展途上国支援の募金活動、書き損じはがきの回収運動、地域イベントの運営の手伝いなどに取り組む。昨年秋からは手話の学習にも励んでいる。

 サポートするのは、子どもたちに本の良さや楽しさに触れてもらおうと活動する同市の古江昭宏さん(56)=別大ブック代表。夫婦で本の卸売・販売・配達業を営む傍ら、ワゴン車に本を積み、県内の書店の空白地域やイベントなどに出向いている。

 同部との出合いは、7月、古江さんらが市内で主催した子ども縁日を、部員が運営ボランティアとして手伝ったのがきっかけ。参加は地域との触れ合いを経験することが目的だった。

 部員たちが真面目に一生懸命子どもたちと接する姿に感動し、顧問の白石奈々教諭(45)に継続的な活動を提案。白石教諭も「生徒たちにいろんな経験をさせ、本にも触れてほしい」と思っていたという。

 「出張本屋さん」では、古江さんが用意した本を部員が自由に陳列、飾り付けをして来場者を出迎える。日程の都合などで参加できない部員も、ポスターやチラシ作りなどで関わる。

 絵本が好きという1年の村田美空さん(16)は、子ども縁日で本の紹介を担当した。「自分の言葉で相手に伝えることの難しさを感じた」という。「本を読むことで人生観も色鮮やかになる。本の感想を書いたカードを置くなど工夫して面白さを伝えたい」

 2年の後藤ひかりさん(17)は部活動の一環として3月に、ダウン症児家族の交流会で子どもたちに読み聞かせをした。「楽しんでくれたのがうれしかった。出張本屋さんでも読み聞かせをしてみたい」と意気込みを話した。

<メモ>

 初回の会場は大分市日吉町6の11、ニックの駐車場。午前10時から午後1時まで。9月23日は別府市で開かれる子育て世代向けのイベントに出店する予定。活動の様子や日程は別大ブックのインスタグラム(betsudaibook)で確認できる。

 

© 有限会社大分合同新聞社