サーキット場事故で男性心停止 3人連携で救助し社会復帰 宇都宮西消防署が感謝状

感謝状を贈られた川井さん夫妻(前列)

 【宇都宮】市西消防署はこのほど、サーキット走行中に心停止した50代男性を助けた3人に感謝状を贈った。

 表彰されたのは西川田町、自営業川井希介(かわいまれすけ)さん(29)と妻の看護師亜由美(あゆみ)さん(31)、埼玉県久喜市桜田1丁目、会社員篠崎楓馬(しのざきふうま)さん(24)。

 4月9日午後、篠井町のサーキット場で走行中の軽乗用車がコンクリート製の壁に衝突した。

 亜由美さんと観戦していた川井さんは4月まで救命救急センターに勤務。現場に2人で駆けつけると、川井さんは関係者の手で車外に運び出された男性の心停止を確認し、救急と消防への連絡を求め、関係者が119番した。

 篠崎さんが施設内から自動体外式除細動器(AED)を現場に届け、亜由美さんが男性の首を持って気道を確保し、川井さんがAEDを使って処置した。川井さんは蘇生するまでに心臓マッサージを計150回試みた。

 川井さんは「気を張って対応した。救急隊到着までの時間が実際より長く感じた」と振り返った。亜由美さんは「(男性が)後遺症なく社会復帰できたと聞いて安心した」と話した。

 感謝状を手渡した市消防局の辻田晋樹(つじたしんじゅ)次長は「適切な対応が命のバトンをつないだ」と勇気ある行動をたたえた。

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