犯人「電話では優しい」 特殊詐欺阻止へ高校生が動画 おばあちゃんのために

特殊詐欺被害を防ぐのため動画を制作し、山科署から感謝状を受け取った洛東高の生徒たち(京都市山科区・洛東高)

 高齢者への特殊詐欺被害を防ごうと、京都市山科区の洛東高の生徒会が、若者を通じて祖父母の世代に注意を促す動画を制作した。生徒自らが高齢女性や特殊詐欺の犯人役を演じ、警戒すべきポイントを紹介している。

 生徒会の10人が孫の世代として被害を減らすため、動画制作を企画した。山科署から事件の手口について説明を受けた上でストーリーを考えた。

 動画は約1分半。高齢女性宅に男性の声で電話があり、キャッシュカードが不正利用されているので暗証番号を教えてほしいと言われたが、孫から事前に聞いていた「暗証番号を教えてというのは、詐欺」との言葉を思い出して電話を切り、被害に遭わなかった-という内容に仕上げた。犯人役を演じた3年生(17)は「犯人が電話では優しい口調で説明することを意識した」と注意すべき点を盛り込んだという。

 動画は同高のインスタグラムで公開している。山科署からこのほど、感謝状が贈られた。2年生(16)は「動画だと若い人にも見てもらいやすい。私たち孫の世代から、おじいちゃんやおばあちゃんに『詐欺に気をつけて』と言ってほしい」と呼びかけている。

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