31ホール目の一打に凝縮 吉田優利が胸を張る「ペース配分も“技術”」

過酷な長丁場を乗り切る秘訣は?(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 2日目(25日)◇小樽CC (北海道)◇6695yd(パー72)◇晴れ(観衆1258人)

最終9番(パー5)の3打目は、バンカー越えのタフなアプローチだった。早朝から回った前日未消化分の13ホールと合わせ、この日31ホール目。猛暑で疲れ切っていてもおかしくない状況でも吉田優利には“余力”があった。

「あそこ(3打目)と、次の(バーディ)パットに向けたペース配分。最後のホールに、きょう一日がギュッと凝縮されていたのかなと思います」。40yd強の距離を狙い通りエッジに落として勢いを殺し、手前から4mをしっかりと決めきったフィニッシュに胸を張る。

午前4時過ぎの起床から始まった長い一日。第1ラウンドの残り13ホール、第2ラウンド18ホールに分けて考えた。気を付けたのは「力の配分とエネルギー補給の配分、大きくは2つ。31ホール目で疲れ切って振れないとか、そういうことがないように」

ここぞの場面で集中力を高めた(撮影/中野義昌)

まずは力について。微妙に距離が“余る”シチュエーションに対し、いつものように小さめの番手を強く振って届かせようとするのではなく、あえて1個上のクラブで抑えて打つことでパワーを温存した。

第2ラウンドに向かう前、1時間弱の使い方にもひと工夫した。「食事を細かく分けるタイプで、あんまり一気にはとらない」スタイルだが、今回はクラブハウスのレストランでしっかりとした昼食を挟んだ。「“頑張って”ご飯を食べました」。2度目のスタート前はウォーミングアップも極力省き、15分ほどのショートゲームの確認だけでティイングエリアに立った。

第2ラウンドを「68」でまとめ、同組で回った上田桃子と並ぶ通算6アンダーで暫定首位に浮上。「エネルギー配分というか、ペース配分というか、そういうところも“技術”かなと思っていたので、そこをうまくできたんじゃないかな。こういうイレギュラーなときでしか分からないこともいっぱいある。そこを、またひとつ経験できた」。過酷な長丁場を完走した疲れも見せず、ニッコリとほほ笑んだ。(北海道小樽市/亀山泰宏)

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