厄年男そろわずOBが代役 輪島・住吉神社大祭 4年ぶり大神輿に奮闘

たいまつの周りを疾走する神輿=輪島市二ツ屋町

 輪島大祭の一つ住吉神社大祭は24、25日、輪島市鳳至町などで行われ、4年ぶりに輪島塗の大神輿(みこし)が練り歩いた。今年は神輿の巡行を担う厄年の男性グループ「御当(おとう)組」が組織されず、祭りの開催が危ぶまれていたが、御当の経験者約60人が結束して代役を担った。24日夜は御当OBに担がれた神輿がたいまつの周りを疾走し、勇壮な姿に待ちわびた住民から歓声が上がった。

 住吉神社では数え年41歳を迎える厄年の同級生が御当をつくり、1学年上の世代に教わりながら1年間、祭礼や神事に携わる。今年は新型コロナの影響で引き継ぎのための準備が進まず、結成が見送られた。

 大祭は2020年から2年連続で神事のみ行われ、昨年は規模を縮小して実施した。今年はコロナによる制限が緩和されたものの、神輿の担ぎ手となる御当がいないため、住民からは祭り開催を心配する声が上がっていた。

 御当がいない中、神社関係者は4年ぶりに通常開催できるよう協議を重ね、御当の三役(会長、幹事長、会計長)経験者でつくる平成住吉会が「祭りを絶やすまい」と、神輿の担ぎ手に名乗りを上げた。

 24日夜は御神事太鼓の後、御当OBが気勢を上げて神輿を担ぎ、神社から大たいまつが立つ三角州広場に向かった。道中の交差点では激しく回転するパフォーマンスも見せた。住吉会の坂田勝海会長(52)は「神輿が動かないと祭りはできない。祭りを楽しみにしている住民のために、何とかしたかった」と話した。

 浅井則家宮司(67)は「OBたちの心意気に感謝している」と、無事開催できたことに安堵(あんど)した。

  ●キリコ9基乱舞

 住吉大祭では、各町会や団体のキリコ9基が乱舞した。河原田川に架かる新橋の上で全力疾走し、見物客を沸かせた。鳳至町18区は市の補助制度を活用してキリコを修復し、約30年ぶりに巡行した。住民は輝きを取り戻した姿を喜び、若い衆が掛け声を響かせながら、元気よく練り歩いた。

通りを練るキリコ=輪島市新橋通

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