【竹田】現場に出向いて農業や地域の現状について学ぼうと、東京農業大(東京都)国際バイオビジネス学科の2年生12人が18~23日、竹田市内で実地研修をした。同市は旧荻町時代の2002年から受け入れている。学生は農作物の収穫作業や販売体験などで、担い手の思いに触れながら理解を深めた。
国際バイオビジネス学科は農業経営や食品ビジネスなどを専攻。2年生は夏休み中、農業が盛んな国内外の十数カ所から行き先を選んで研修を受けている。
竹田市を選んだ学生は荻町の荻の里温泉などに宿泊し、道の駅で農産物を販売したり牛の飼育やカボチャの収穫作業にも挑戦。久住高原農業高でトラクターを運転した他、岡城跡などを訪ねて同市の歴史にも触れた。
22日に訪問した飛賀洋一さん(64)管理のカボス農園(市内飛田川)では、実が傷つかないよう配慮した収穫方法などを聞き、実際に摘み取る体験をした。
最終日に市役所で修了式があり、学生が一人ずつ感想を発表。土居昌弘市長が「竹田の生産者から情熱をお裾分けしてもらったと思う。活躍に期待している」と述べた。
同行した山田崇裕准教授(41)によると、竹田市が提案する研修プランには農業の現場から流通まで幅広く盛り込まれており、「選んだ学生はそこに魅力を感じているのでは」という。
参加した長沢駿佑さん(20)は「工夫して収益を上げる生産者の話が印象に残った」、堀内日菜子さん(19)は「担い手がおらず田畑が余っている現状や、害獣被害の実態を学べた。同じ悩みを抱える地域は他にもあり、どう活性化するか考えたい」と話した。