エンゼルス・大谷翔平の今後は? MLB公式サイトの番記者が解説

日本時間8月24日のダブルヘッダー終了後、ペリー・ミナシアンGMによって右肘の内側側副靭帯を損傷していることが明かされた大谷翔平(エンゼルス)。今季の登板は終了となり、初めてのFAを迎える前に自身2度目のトミー・ジョン手術が必要となるかもしれない。大谷の今後については各メディアで様々な議論が起こっているが、MLB公式サイトでエンゼルスを担当するレット・ボリンガー記者は、自身の記事のなかで大谷の現状を整理し、今後について展望している。

◆大谷が肘の異変を感じたのはいつ?
腕の疲労による登板回避があったものの、ミナシアンGMによると、大谷が肘の異変を訴えたのは、日本時間8月24日のレッズとのダブルヘッダー第1試合で早期降板したあとが初めてだったという。現時点では大谷がメディアの取材に応じていないため、詳細は不明。大谷がメディア対応を行ったタイミングで新たな情報が出てくることになりそうだ。

◆大谷に関する短期的なプランは?
エンゼルスは日本時間8月25日、大谷がニューヨーク遠征に帯同し、少なくともセカンド・オピニオンを得て次のステップが確定するまでのあいだはDHとしてプレーを継続することを発表した。大谷がシーズンの最後までDHとしてプレーするかどうかは現時点ではわからない。

◆トミー・ジョン手術を受ける可能性は?
大谷が自身2度目となるトミー・ジョン手術を受けるかどうかは、右肘の内側側副靭帯の損傷の程度による。ミナシアンGMは日本時間8月24日の時点で「損傷の程度はわからない」としており、セカンド・オピニオンを得たタイミングで詳細が判明することになりそうだ。トミー・ジョン手術を受ける場合は、投手として2024年シーズンを全休するのは確実。ボリンガー記者は「2度目のトミー・ジョン手術は成功率が低く、手術前の姿に戻れる保証はない。しかし、大谷はこれまでにも人々の予想を覆しており、彼が再びエース級のピッチングを見せても誰も驚かないだろう」と記している。

◆ほかの選択肢は?
インターナル・ブレイスと呼ばれる補強装具で靭帯を修復する方法もあり、この場合はトミー・ジョン手術よりも早く復帰できるが、一般的には部分断裂の場合に用いられ、完全断裂の場合はトミー・ジョン手術で対応することが多い。完全断裂でなければ、PRP注射による治療を選択することもできるが、2018年の大谷はPRP注射を受けたあと、最終的にトミー・ジョン手術が必要だった。

◆2度のトミー・ジョン手術から復活した選手は?
ネイサン・イオバルディ(レンジャーズ)、ジェイムソン・タイオン(カブス)、マイク・クレビンジャー(ホワイトソックス)、ダニエル・ハドソン(ドジャース)などが代表例。ジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)は2度目のトミー・ジョン手術を受けてリハビリ中であり、ドリュー・ラスムッセン(レイズ)は2度のトミー・ジョン手術を受けたあと、今季は自身3度目の内側側副靭帯断裂を経験している。

◆FA市場への影響は?
明確な答えはない。オプトアウトを含んだり、投手部分を出来高重視の契約にしたり、二刀流再開のタイミングで市場に出られるように1年契約にしたり、と様々な方法が考えられる。大谷が慣れ親しんだ環境でのリハビリを優先するのであれば、肘が完治するまではエンゼルスに残留することを選択する可能性もある。

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