経済人会議 芸能支援継続誓う

支援に感謝し、素囃子を披露する金沢芸妓たち=金沢市内のホテル

  ●奨励金を一部増額 金沢・山中芸妓、邦楽舞踊家に

  ●会員244人に増加

 郷土が誇る伝統芸能の担い手を支援する「石川伝統芸能支援経済人会議」は25日、金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で総会・会員交流会を開いた。金沢のひがし、にし、主計町(かずえまち)の三茶屋街と山中温泉の芸妓衆、邦楽舞踊家に奨励金を贈呈した。会員数は初年度に比べて24人増の244人となり、出席者はふるさとの芸能を守り支える活動の継続を誓った。

 経済人会議は、金沢商工会議所と金沢経済同友会、一般財団法人石川県芸術文化協会が連携して昨年7月に設立された。

  ●飛田会長「末永く」

 会長の飛田秀一県芸術文化協会会長はあいさつで「支援は1年、2年で終わってしまうと意味がない。末永く続けていくことが重要だ」と語った。

 奨励金総額は2078万円となる。三茶屋街の芸妓に1人当たり年37万円を交付し、65歳以上は2万5千円をそれぞれ加算した。山中芸妓、邦楽舞踊家への支援は2万円増額し、年12万円とした。

 飛田会長が西料亭組合長の乃莉(のり)さん、東料亭組合長の福太郎さん、主計町料亭組合長の若奈さん、山中芸妓代表のぼたんさん、県邦楽舞踊協会理事長の藤間勘寿々さんにそれぞれ目録を手渡した。

 顧問の馳浩知事は、県の友好交流地域である韓国・全羅北道の知事が来年、石川を訪れるとし「金沢芸妓の皆さんにおもてなしをお願いしたい」と述べた。大阪・関西万博でも文化発信の協力を求めた。村山卓金沢市長があいさつした後、理事長の安宅建樹金沢商工会議所会頭の発声で乾杯した。金沢三茶屋街の芸妓による素囃子(すばやし)、「金沢風雅」が披露された。

  ●全国に例ない支援「芸に磨き掛ける」

 西料亭組合長の乃莉さんは支援について「全国に例のない支援態勢であり、三茶屋街一同、大変ありがたく受け止めている」と感謝した。山中芸妓代表のぼたんさんは「多くの皆さんの支えに感謝し、一人でも多くの後継者を育てたい」とし、県邦楽舞踊協会理事長の藤間さんは「担い手の活力につながる支援であり、今後も元気に芸に磨きを掛けたい」と話した。

奨励金の目録を受け取る代表者

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