【SUMMER SONIC 2023】ケンドリック・ラマー、世界最高峰のラッパーが魅せる5年ぶりの来日公演<ライブレポート>

ケンドリック・ラマーが、8月20日に千葉・ ZOZOマリンスタジアムと幕張メッセにて開催された【SUMMER SONIC 2023】に出演。MARINE STAGEで東京2日目のヘッドライナーを完遂した。

5年ぶりの来日とのこともあり超満員のMARINE STAGE。定刻を迎えるとステージは暗転し、「The Heart Part 5」のイントロが流れ出す。スクリーンが真っ白に光り、パープルのセットアップを身に纏ったケンドリック・ラマーが満を持してステージに登場すると拍手と大歓声が沸き起こった。ケンドリックはそのままステージ中央で下を向き、ただただ冷静に堂々とした出立で、スター感漂うものすごい存在感だ。スポットライトに照らされるなか「N95」が流れ出すと、会場からシンガロングが巻き起こり、スクリーンにはヘンリー・テイラーの絵が映し出される。同時に切れ味の良いケンドリックのラップが加わると、ステージ下から花火の演出。強烈なインパクトと圧巻のパフォーマンスで幕を開け、序盤から一気に会場のボルテージは最高潮を迎えた。

その後も「ELEMENT.」「A.D.H.D」「King Kunta」「Worldwide Steppers 」「Swimming Pools」など新旧織り交ぜたセトリで畳みかけ、曲ごとにシンガロングや歓声が飛び交うほどの盛り上がりだ。途中、曲と相反してコンテンポラリーなパフォーマンスをみせるエプロン姿のダンサーがバックに登場。ダンサーはケンドリックがステージをはけた曲間にも、フライング・ロータスの「Never Catch Me(feat.Kendrick Lamar)」などで度々パフォーマンスするシーンも。そして、アンセムナンバー「DNA.」や「HUMBLE.」では一際大きなシンガロングが巻き起こり、マリンスタジアムは爆発的な熱気に包まれた。

終盤に差し掛かり披露した「LOVE.」では、ケンドリックがスマホライトをつけるよう促し、マリンスタジアムが幻想的な雰囲気になるなか大合唱が起こり「Alright」へ。そしてラストに投下したのは「Savior」。曲終盤では夜空に花火が打ち上がり、2日間に渡る【SUMMER SONIC 2023】を締め括った。

一貫して何より終始圧倒させられたのは、約3万人を目の前にした広いステージ上でほぼ1人、マイク一本で魅せるパフォーマンスをひたすら繰り広げていたところだ。セットはミニマムだが研ぎ澄まされており、世界最高峰といわれるラッパーの魅せるアクトは無駄なものが一切なく圧巻で、完璧なパフォーマンスとしか言い表せない。バンドの姿は見えなかったが重厚で凄まじいグルーヴ感あるサウンドと、パワフルでスムースなケンドリックのラップはオーディエンスを釘付けにし、ベストアクトだったと言えるだろう。

Text:Rumi Miyamoto
Photo:(c)SUMMER SONIC All Copyrights Reserved.

◎公演情報
【SUMMER SONIC 2023】
2023年8月19日(土)20日(日)
千葉・ ZOZOマリンスタジアム、幕張メッセ
大阪・ 舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)

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