長崎県が養殖業支援へ 橘湾の赤潮被害 長崎、雲仙市と共同 産地の維持存続を検討

 長崎県の橘湾の広い範囲で赤潮が発生し養殖魚が死んでいることを受け、県は長崎、雲仙両市と共同で被害が出ている養殖業者の支援に乗り出す。養殖産地の維持存続に向け、国に対しても早い段階で要望活動を実施するとしている。
 赤潮により長崎、雲仙両市で被害が出ており、規模や被害額は調査中。長崎市によると、市たちばな漁協(戸石町)管内で養殖していたトラフグやシマアジ、マダイなど約100万匹の大半が死んだ。雲仙市の橘湾東部漁協(小浜町)によると、フグやサバ、ブリ、タイ、シマアジなど暫定で養殖魚全体の半数弱となる約11万匹が被害に遭った。
 県は▽斃死(へいし)した養殖魚の代わりとなる魚の購入支援▽斃死魚処理と防除剤備蓄への支援▽金融支援の充実を検討中。9月12日開会予定の定例県議会へ関連予算案を提出する予定。大石賢吾知事は22日の会見で「橘湾における養殖業は長崎、雲仙両市の基幹産業。被害を受けた皆さまに寄り添いながら、できる限りの支援に努めたい」と述べた。
 長崎市も9月定例市議会に支援策を追加提案する方針。鈴木史朗長崎市長は25日の定例会見で「(被害に遭った養殖事業者には)若い事業者が多くやる気があり、市としても後押ししようとしていた。赤潮発生後から懸命に作業してきたが甚大な被害となり、心苦しい」と述べた。

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