期待乗せLRT出発進行、栃木 一番列車に120人

「ライトライン」の愛称が付いたLRTの車両=26日午前、宇都宮市

 宇都宮市と栃木県芳賀町が整備した次世代型路面電車(LRT)が26日、開業した。大勢の市民や鉄道ファンらが見守る中、午後3時ごろに最初の客約120人を乗せた車両が宇都宮駅東口の停留場を出発。路面電車の開業は富山県高岡市の現・万葉線以来75年ぶりで、全線新設のLRTは全国で初めて。高齢化や人口減が進む中、利便性が高い街づくりにつながると期待される。

 一番列車に乗るために昨夜から並んだという栃木県高根沢町の会社員、佐藤正規さんは「宇都宮駅での新幹線との接続も良い。これからどんどん利用したい」とうれしそうに話した。

 午前には開業を祝う式典も開かれ、記念電車が市内をパレードした。

 同駅東口から芳賀町間の14.6キロを48分で結ぶ。「ライトライン」の愛称が付いた車両は、雷が多い宇都宮市が「雷都」と呼ばれることにちなみ稲妻をイメージ。低い床や運行時の振動軽減など、高齢者らが乗りやすい工夫を施した。運行に関わる電力は再生可能エネルギーで賄う。事業費は684億円。当初の開業予定は22年3月だった。

開業日を迎え、宇都宮市内をパレードするLRT「ライトライン」=26日午前
鉄道ファンらに見送られ、JR宇都宮駅東口の停留場を出発するLRT「ライトライン」の一番列車=26日午後

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