輝、朝乃山に胸借りる 金沢学院大附属中・高の部員 大相撲金沢場所

大勢の観客が見守る中、生徒とぶつかり稽古する輝=26日午前11時10分、金沢市総合体育館

  ●「いつか同じ土俵に」

 地元ゆかりの関取衆に中高生が真っ向からぶつかり館内を沸かせた。26日、金沢市総合体育館で開かれた北國新聞創刊130年記念・大相撲金沢場所(北國新聞社主催)の子ども稽古では、金沢学院大附属高と同中の相撲部員15人が七尾市出身の十両輝(金沢市西南部中OB)や富山市出身の元大関朝乃山の胸を借りてぶつかり稽古に挑戦し、「いつかは同じ土俵で勝負したい」と目を輝かせた。

 子ども稽古には、輝と朝乃山に加え、穴水町出身の追手風親方(元幕内大翔山)を師匠に持つ幕内の翔猿が登場した。

 中学生と高校生が順に土俵に上がり、深々と一礼。関取から「さあ来い」と声が掛かると、生徒は「おお」と雄たけびを上げてぶつかった。関取衆のぶつかり合いにも負けない大きな音が会場に響き、関取を土俵の外に押し出すと、観衆から大きな拍手が送られた。

 輝と朝乃山と比べて小柄な翔猿が自分より大柄な高校生を前にして、朝乃山に「代わってほしい」と頼み込んだり、勢いよくぶつかってくる生徒に顔をしかめたりする場面もあり、館内が笑顔に包まれた。

 朝乃山に挑んだ金沢学院大附属中2年の片桐恭晟さん(14)は「想像以上に重くて、力強いのにびっくりした。同じ北陸出身の朝乃山関を超えるような力士になりたい」と興奮気味に話した。

 質問コーナーもあり、好みの異性のタイプや自分へのご褒美、取組中に考えていることなどの問いに、朝乃山は「ふんわりした人」、翔猿は「ブリを食べること」、輝は「あんまり考えないようにしている」などと答えた。

  ●大の里にどよめき

 公開稽古では、角界のホープ大の里に注目が集まった。「西方、河北郡津幡町出身、大の里」のアナウンスがかかると、館内は拍手に包まれ、どよめいた。取組形式の「申し合い」では、千代丸、貴健斗、ウクライナ出身の獅司(しし)ら十両力士に引けを取らない力を見せ、ファンを喜ばせた。

 締めくくりのぶつかり稽古では、大関貴景勝が大の里に胸を貸した。何度もぶつかって完全に息が上がり、大関の叱咤(しった)を受けては立ち上がる土だらけの背中に、館内から「大の里」コールと手拍子が沸き起こった。

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