福井県初の高校生NPO、敦賀市の民謡踊りを継承 講習会や祭り参加「残しにくいものを残したい」

「敦賀とてもすきすき」のレコードを手にする森野巧巳理事長(右)と、中田哉音副理事長=8月8日、福井県敦賀市の福井新聞敦賀支社

 福井県敦賀市の民謡踊り継承に取り組む県立敦賀高生らがこのほど、NPO法人「とても敦賀すきすき」を設立した。福井県によると、高校生によるNPO法人設立は県内初。市内小中学校で民謡踊りの講習会を開くほか、祭りイベントに参加して踊りの魅力を発信していく。県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で9月18日まで活動費支援を募っている。

 団体理事長には敦賀高2年の森野巧巳さんが就いた。同級生らと昨年7月、グループ「とても敦賀すきすき」を立ち上げ、事業をより推進しようと、今年6月ごろからNPO法人化に向けた手続きを進め、7月21日に登記した。

 メンバーは15人で全員敦賀市民。うち高校生は森野さんら敦賀高8人、高志高2人の計10人。日本舞踊の会「花柳流さくら会」の指導者が加わっている。

 毎月1回「敦賀とてもすきすき」「敦賀ばやし」「気比音頭」「大敦賀行進曲(うちわ踊り)」などを練習。9月2~4日の敦賀まつりに向け、今は週1回に回数を増やし、これまでに6曲7種類の踊りをマスターしてきた。副理事長の中田哉音さん(敦賀高2年)は「法人化で責任が重くなった。自分自身も民謡をもっと好きになれたら」と話す。

 CFの目標金額は60万円で、衣装費などに充てる。返礼品は団体のオリジナルロゴ入りの手ぬぐいや竹うちわ、寄付者が希望した場所での踊りの披露、高校生の感謝の気持ちのビデオレターがある。寄付はCFサイト「レディーフォー」から行う。福井県に対するふるさと納税として扱われ、税控除により実質2千円の負担で支援できる。

 森野理事長は「民謡踊りの消滅を打破できるのは自分たち若い世代。教育や観光イベントなどでこれまで以上に精力的に活動し、残しにくいものを残す成功事例をつくりたい。ほかの市町にも動きが広がれば」と話している。同団体は敦賀まつり後は高校生のほか小中学生も受け入れていく。

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