競技楽しみ災害に備え 杜の里小・運動会で絆深め 心肺蘇生法や「がれき運び」

がれきに見立てた物を運ぶ住民=金沢市杜の里小

  ●育友会と金大アメフト部が連携

 金沢市杜の里小で26日、防災学習を取り入れた運動会(北國新聞社後援)が行われた。新型コロナの感染拡大前まで実施されていた校下の運動会の代わりとして、育友会と金大アメリカンフットボール部が連携して初めて企画した。住民と部員約100人がグラウンドで元気に競技を楽しみ、災害への備えを学んだ。

 「もりさとサマーホリデー防災運動会」と題し、旭町、若松、鈴見の3地区対抗で実施された。「がれき運び」の競技では、がれきに見立てた長机やアメフトの練習器具を制限時間内にどれだけたくさん運べるかを競った。

 障害物競走では、参加者は新聞紙で簡易スリッパを作り、消火器での的当て、心肺蘇生法といった課題に挑戦した。竹ざおと毛布で作った担架を担ぐリレーやバケツリレーなども行い、住民らがチームワークを発揮した。

 杜の里小校下では例年、住民参加の運動会が開催されていたが、コロナ禍で中止が続いていた。再開に当たって育友会側が、通学路の見守り活動や児童へのスポーツ指導で地域貢献をしていた金大アメフト部に運営に加わってほしいと依頼。学生が中心となり、防災力向上につながる競技を考えた。

 実行委員長を務めた同部3年の定直(じょうじき)勇太さん(20)は「災害時に大切な地域の絆をつくれる企画になった。来年も続けられるといい」と話した。

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