「待ちわびた」4500人沸く 4年ぶり大相撲金沢場所

約4500人が訪れ、幕内土俵入りに沸く会場=金沢市総合体育館

  ●輝、大の里、朝乃山ら雄姿

 北國新聞創刊130年記念・大相撲金沢場所(北國新聞社主催)は26日、金沢市総合体育館で行われ、地元勢はじめ力士112人による4年ぶりの巡業に約4500人が熱狂した。関取たちは力のこもった公開稽古や取組、子ども稽古で大相撲の魅力を伝え、待ちわびた相撲王国石川のファンをうならせた。

 金沢場所の開催は、新型コロナ感染拡大前の2019年以来となった。地元勢では七尾市出身の十両輝(金沢市西南部中OB、高田川部屋)と、来月の秋場所に新十両となる津幡町出身の大の里(二所ノ関部屋)、上位陣では横綱照ノ富士(伊勢ケ濱部屋)、貴景勝(常盤山部屋)、霧島(陸奥(みちのく)部屋)の両大関らが参加した。来場者は午前8時半の開場の1時間以上前から、体育館に長蛇の列をつくった。

 公開稽古では、角界期待の大の里が十両力士に加わって奮闘。朝の握手会では輝が先頭を切って登場し、100メートルほどの列をつくったファンと一人一人握手した。

 子ども稽古では、輝と富山市出身の元大関朝乃山(高砂部屋)、幕内の翔猿(とびざる)(追手風部屋)が、金沢学院大附属中と同高の相撲部員15人とのぶつかり稽古に胸を出した。生徒の力の入った当たりに、3力士の体には汗がにじみ、迫力十分の様子に観客が声援を送った。

 関取衆による取組では、三役はじめ各力士が熱戦を展開した。輝と大の里、朝乃山の地元勢は番外取組にも登場し、ひときわ大きな歓声に応える豪快な一番を見せた。

 禁じ手を面白おかしく紹介する「初切(しょっきり)」や相撲甚句、朝乃山と輝の髪結いや横綱綱締の実演も観客を楽しませた。

 金沢場所に毎回足を運んでいるという白山市の会社員宮嶋正樹さん(59)は「お客さんがいっぱい入っていて、みな待っていたと思う。巡業はいつ見に来ても楽しい」と笑顔を見せた。

  ●27日は氷見場所

 27日には、氷見市ふれあいスポーツセンターで富山新聞創刊100年記念・大相撲氷見場所(富山新聞社、北國新聞社主催)が開催される。

金沢学院大附属中と同高の相撲部員に胸を出した(右から)輝と朝乃山、翔猿

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