高校生の感性爆発 青森・弘前市で「ファッション甲子園」 弘前実特別賞、横浜デザイン学院連覇

「ファッション甲子園」で連覇を達成した横浜デザイン学院(神奈川)の「呼吸」
特別賞を受賞した弘前実業の「Inside」。マスクに覆われた姿で登場し、ファスナーを開けるとドレス姿に変身した
特別賞を受賞した弘前実業の「Inside」。マスクに覆われた姿で登場し、ファスナーを開けるとドレス姿に変身した

 第22回全国高校ファッションデザイン選手権「ファッション甲子園2023」が27日、弘前市民会館で開かれ、「呼吸」を発表した神奈川県の横浜デザイン学院(茂木楽真=ささね=さん、秋濱優奈さん=ともに3年)が連覇を果たした。青森県勢は「Inside(インサイド)」を発表した弘前実業高校(大渕日向さん、秋谷しえりさん=ともに3年)が特別賞を受賞した。

 ファッション甲子園は、21世紀のファッション界を担う人材の発掘などを目的に行われている。今年は39都道府県から97校1810作品の応募があり、青森県の4校5チーム(弘前実業、五所川原第一2、柴田学園、青森山田)を含む1次審査を通過した30校35チームが、この日の最終審査に臨んだ。

 連覇した横浜デザイン学院の2人は昨年も優勝のコンビ。真っ白なシースルーの作品で、チュールとレースを織り合わせ、表面はハチの巣のような「ハニカム構造」になっており、観客を光る感性で引きつけた。

 特別賞「海外ファッションブランド協会賞」を受賞した弘前実業は、900枚のマスクを貼り合わせた白い衣装で登場し、ファスナーを開けると裏側に仕込んだ鮮やかなドレスに変身するパフォーマンスを披露した。

 審査員の原由美子さん(ファッションディレクター)は「世界的に平和な時代でない今、衣食住の中では食べることや住むことが大事で、着るものが投げやりになる国もあるかもしれない。今回は、自分が託すものや気持ちを抽象的に考え、それを洋服に実現するという新しい流れを感じた」と講評した。

 ファッション甲子園は弘前商工会議所、県、弘前市などでつくる実行委員会(今井高志会長)が主催した。

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