【中国】日本旅行熱が下火に、処理水放出が影響[観光]

東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が24日に始まったことで、中国人が日本旅行をキャンセルする動きが出ている。日本旅行を検討していた一部の人たちは様子見に入り、ツアー予約は減少。日本への旅行は今月10日の団体旅行解禁を機に人気を集めていたが、わずか2週間で逆風にさらされることになった。

第一財経日報(電子版)によると、中国の大手旅行会社幹部は、「ここ数日は日本ツアーのキャンセルが相次いでいる。中秋節・国慶節(建国記念日)連休(9月29~10月6日)のツアーへの参加を検討していた人たちも今は様子見している」と明らかにした。

他の多くの業界関係者も、中秋節・国慶節連休の目玉商品から日本ツアーを外すなどの計画変更を迫られていると説明した。

中国政府は今月10日に日本を含む78カ国への団体旅行を解禁。既に解禁していた国・地域を合わせて138カ国への団体旅行を可能にした。

10日以降は日本への旅行が大きな人気を集めており、大手旅行会社の携程集団(トリップドットコム・グループ)によると、処理水放出前までは日本旅行に関する検索数が国・地域別の1位だった。中秋節・国慶節連休には訪日旅行が大きな盛り上がりをみせるとみられていたが、中国人が処理水放出に強い懸念を示す中、訪日旅行市場の見通しは楽観できない状態となった。

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