ミセスユニバースJで入賞 栃木の中川さん、世界大会へ 災害や病乗り越え育児に起業も

ミセスユニバースジャパンで手を振る中川さん(中川さん提供)

 【栃木】大平町在住の業務委託サービス業中川真波(なかがわまなみ)さん(33)が、7月に東京都内で開かれた「ミセスユニバースジャパン2023」のトップ20に入賞し、世界大会の出場権を獲得した。2019年の台風19号による被災やうつ病を経て、1月に起業した2児のシングルマザーの中川さん。「挑戦を通じて、物事の前向きな部分に目を向けられるようになった」と話している。

 ミセスユニバースジャパンは、女性の社会的地位向上がテーマの世界大会「ミセスユニバース」の日本版。外見の美しさではなく、社会貢献の意思など人生のプロセスを重視している。

 公務員として勤務していた中川さんは、台風19号で新築だった自宅が床上浸水し、生後5カ月の次男を背負いながら泥を片付けた。育児休業から復帰した後、昇進に伴う仕事と家庭の両立に悩んで体調不良に。人間関係の問題も重なって休職し、離婚も経験した。

 退職と起業を決心して不安を抱えていた昨年11月ごろ、大会を知り「挑戦することで自分も変わりたい」と応募した。300人以上の応募者の中から、47人のファイナリストに残った。

 大会前のウオーキングやスピーチのレッスン、社会貢献活動を通じて自身を表現する機会が増え、物事を前向きに捉えられるようになったという。大会では「栃木で一番女性が働きやすい会社をつくる」とスピーチし、企業家賞などの審査員特別賞も受賞した。

 会社では市内の保養施設の売店を受託し、イベント企画も手がけている。「子育て中の女性は時間がないと諦めてしまう人が多いが、たくさんの可能性がある。そんな女性が才能を発揮できる場をつくっていきたい」と意気込んでいる。

ミセスユニバースジャパンでウオーキングする中川さん(中川さん提供)

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