学校・職場に「女性の困難」 被害経験、見聞き3割 栃木県調査

 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が来年4月に施行されることを受け、県が22日までに実施したネットアンケートで、女性であることを理由に学校や職場でトラブル・ハラスメント被害を経験した(見聞きした)と答えた人の割合が3割を占めることが分かった。アンケートでは公的機関への相談を敬遠する傾向なども出ており、県は本年度中に策定する基本計画の参考にする。

 アンケートは6月27~7月10日、県のホームページなどで募った協力者を対象に実施し、10代~70代以上の県民369人から回答を得た。回答者は男性が46.1%、女性が53.1%、「答えたくない」などが0.8%。

 自身や身近な女性が経験した困難な問題を聞いたところ、学校や職場での人間関係のトラブルやハラスメント被害が30.1%で最多だった。配偶者や元配偶者、交際相手からの暴力・暴言が24.1%、経済的困窮が20.3%だった。

 誰に相談したかを聞いた設問では、友人・知人が32.1%で最も多く、次いで「誰にも相談しなかった」が30.6%、行政機関(国、県、市町等の)相談窓口が23.3%だった。

 相談時に公的機関を利用しない理由を聞いたところ、「相談しても何の解決にもならないと感じた」が25.6%、「知らない人にプライベートなことを話すのは抵抗がある」が23.8%、「存在を知らない」が15.7%と続いた。

 求める支援内容では「気軽に相談できる場所、ツール(SNS)」「相談窓口や支援内容についての広報や啓発」「地域間格差のない支援」などが多かった。

 県人権男女共同参画課は「女性が抱える問題が複雑化する中、現在ある相談窓口の周知に加え、匿名などで相談できる新たなツールの必要性も感じた」としている。

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