複合災害、130機関連携 高岡で県総合防災訓練 大雨、地震2千人参加

土砂に埋まった車両から人を救助する訓練に臨む隊員=高岡市の高岡テクノドーム

 富山県総合防災訓練は27日、高岡市の高岡テクノドームを主会場に行われた。県内では6、7月に局地的豪雨被害が発生しており、県や市、県警、消防、自衛隊など約130機関と住民合わせて約2千人が土砂崩れ事故など大規模災害への対応と連携を確認した。参加した住民からは避難時の課題も聞かれた。

 訓練は県西部で局地的豪雨により大雨・洪水警報と土砂災害警戒情報が出され、高岡、氷見で震度7、射水で震度6強、小矢部で震度6弱を観測、土砂崩れや建物倒壊、火災が同時多発的に起きたと想定した。

 高岡テクノドームでは、土砂が流れ込んだ家屋と車両から人を助け出す訓練が行われ、消防と県警、自衛隊が参加。富山や射水など12市町の職員が連携して避難者と緊急支援物資を受け入れる「ワンチームとやま受援訓練」も行われた。

 伏木富山港では、海上自衛隊の掃海艇「あいしま」と海上保安庁の巡視船「のりくら」が医薬品などが入った段ボールをトラックに積み込み、高岡テクノドームに輸送。高岡市下関小など3校では地元住民の避難訓練も行われた。

 新田八朗知事は県防災危機管理センターで本部の対応訓練に臨んだ後、ヘリで伏木富山港付近に移動し、視察した。閉会式で「訓練を積み重ねていくことが大切」とあいさつした。

 高岡テクノドームには住民72人が訓練で避難した。地元の下伏間江自主防災会の武内政弘会長(58)によると、住民はスムーズに集まれた一方、ドームまでの歩道がでこぼこしており、車いすで避難する場合の課題を感じたという。

© 株式会社北國新聞社