まもなく台風11号発生 沖縄方面へ向かう予想
28日午前3時現在、マリアナ諸島付近には熱帯低気圧があります。中心気圧は998hPa、中心付近の最大風速は15m/sで、ゆっくりと西へ向かっています。
27日午後から気象庁は熱帯低気圧cとして5日先までの進路予想の発表を始めています。24時間以内に熱帯低気圧が台風になる可能性が高い場合、5日先までの進路予想を発表します。
まもなく中心付近の最大風速が17.2m/s以上となり台風の基準を満たす予想です。台風となると「台風11号」となります。
アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。
28日午前3時の発表では、台風9号、10号に関する情報とは別に、赤色の丸で表示したエリアがあります。
JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると台風の発生時期に近づいた目安となります。それぞれの意味は以下の通りです。
LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み
それでは台風11号になると見られる熱帯低気圧について気象庁及び欧米予報機関の進路予想を見ていきます。
気象庁
気象庁の予想では西よりに進んだあと、次第に進路を北西よりへと変えて、9月1日には暴風域を伴って沖縄付の南の海上を中心とする予報円に達する予想です。その後沖縄地方を通過して東シナ海へと向かう可能性があります。ただ予報円は大きく、進路予想のブレ幅は大きな状況です。
こちらは台風の進路予想で使うモデルとは違った計算モデルによる予想結果です。あくまでも数あるシナリオの一つですが、9月3日にかけて沖縄方面を通過してさらに西へとすすむことが予想されています。
前回の予報の初期値(24時間前の8月26日夜)で計算された予想結果では、台風11号をかなり発達させて沖縄付近へ接近させる予想でしたが、今回はそれほど台風11号を発達させていません。
つづいてアメリカやヨーロッパの進路予想をみてみましょう。
アメリカやヨーロッパ 台風11号の進路予想は
気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」を意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表します。
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
気象庁は台風の進路予想についてアンサンブル予報の結果は公表していません。そこで、一般にも公開されている海外の予報機関の結果を参考にみていきます。
アメリカ海洋大気庁
アメリカ海洋大気庁の240時間先までのアンサンブル予想結果です。進路の傾向は気象庁の進路予想と大きくは変わりません。
ただ、沖縄付近へ進んだあとはどこへ向かうのか非常にバラツキが大きいことがわかります。また、一つ一つのラインの色の違いは予想される中心気圧の違いを示していますが、中心気圧の予想もかなりバラバラで、非常に発達するのか、それほど発達しないのかも正直ハッキリしない状況です。
目にする機会も多いアメリカ海洋大気庁の計算結果の一つでは、非常に発達した状態で沖縄付近への接近を予想するデータもありますが、これはあくまでシナリオの一つに過ぎません。
ヨーロッパ中期予報センター
ヨーロッパモデルの予想も西よりに進んで沖縄付近を通過して東シナ海方面へと向かう予想になっています。ただ、こちらも予想にはかなりのバラツキがあることがわかります。
また、ヨーロッパモデルでは台風11号をそこまで発達させる予想は出ていません。
まもなく発生するとみらえる台風11号は、現時点ではどのようなコースを進むのか、またどれくらい発達するのかについて、まだまだ予想には大きなブレ幅がある状況です。