【MLB】大谷無安打でエンゼルスはサヨナラ負けも 先発の踏ん張りで今月2回目のシリーズ勝ち越し

写真:無安打に終わった大谷翔平

日本時間8月28日、メッツが8、9回にマット・ムーア、レイナルド・ロペスのエンゼルスの勝ちパターンを打ち崩し、逆転で3対2でのサヨナラ勝利を手にした。サヨナラヒットを放ったメッツの9番ラファエル・オルテガに殊勲の1打点が付き、勝ちこそ付かなかったが、デビッド・ピーターソンが7回1失点8奪三振の好投。9回表をゼロに抑えた3番手アダム・オッタビーノに1勝目が記録された。エンゼルスは先発グリフィン・キャニングが7回1失点9奪三振と抜群のパフォーマンスを見せたが、その後のブルペン陣が誤算。サヨナラを許した3番手ロペスに7敗目が付いた。

この日は敗れたエンゼルスだが、2勝1敗でメッツに対してシリーズ勝ち越し。悪夢のような8月を送っているチームにとって、ジャイアンツとのシリーズ以来の勝ち越しとなった。このシリーズでは3戦中2戦、先発投手がクオリティスタートを記録(残り1戦のチェイス・シルセスは負傷交代)するなど、先発の踏ん張りが光った。

大谷翔平が右肘の靭帯を損傷して投手として今季絶望、そして同じ日にマイク・トラウトもILに出戻りとなり、いよいよプレーオフが絶望的になったエンゼルス。しかし、若い選手たちにとっては来季以降も見据えながら、シーズンの戦いは続いていく。

1戦目に先発したパトリック・サンドバルは、防御率2.91を記録した昨シーズンの再現はできていないが、7月以降は防御率2.76と復調。7月下旬からローテに抜擢されたチェイス・シルセスは、春にマイナー降格となった後に従来のものより遅く変化が大きいスライダーを習得。大谷を上回るペースで三振を量産している。今日好投したキャニングもキャリアハイのストライク率66%を記録するアグレッシブなスタイルで、奪三振・与四球はキャリアハイペースだ。

エンゼルスにとってポジティブなのは、これらの投手がいずれも契約を複数年残す若手であるということ。大谷翔平のFAイヤーに懸けた勝負が実らなかったエンゼルスだが、これら投手陣を含め、外野手ミッキー・モニアックや遊撃手ザック・ネトなど契約を複数年残す若手が奮起したのも事実。大谷翔平との再契約にチャレンジするか否かを含めて、今オフの立ち回り次第では来年も再びプレーオフに勝負を挑めるかもしれない。

大谷翔平は4打数無安打。初回に160.8キロの痛烈なライナーを放ったが、5試合ぶりの無安打に終わった。

© 株式会社SPOTV JAPAN