【別府】第70回「NHK杯全国高校放送コンテスト」(7月25~27日、東京都で開催)の朗読部門で、別府市の別府鶴見丘高3年の川野優華さん(17)が準優勝に輝いた。第47回全国高校総合文化祭(8月3、4の両日、鹿児島市)でも放送・朗読部門で最高の優秀賞(8人)に選ばれた。
同コンテストは指定作品から1編を選び、自分の表現したい部分を抽出して1分30秒以上2分以内に朗読する。都道府県予選を通過した294人が出場した。
川野さんは「買えない味」(平松洋子著)を選び、弁当を通じた母子の心の交流を描いた部分を朗読。「母の姿を想像し、自分の体験を踏まえながら朗読した。聞いている人に共感してもらうとともに、お弁当を作ってもらうことの感謝の思いを表現した」と語る。
総合文化祭の朗読部門には全国から144人が出場。郷土にゆかりのある作品を選ぶことが条件で、川野さんは竹田市ゆかりの音楽家滝廉太郎(1879~1903年)の生きざまを描いた「廉太郎ノオト」(谷津矢車)を1分45秒以内に朗読した。
川野さんは声優へのあこがれから入学後すぐに放送部に所属。声の出し方や滑舌など自分の課題に向き合い、少しずつ力を付けてきた。3年間励まし合った部員の存在も大きかった。
顧問の村上聡子教諭(48)は「目標を持って努力してきた。本番は落ち着いた様子で想像以上の力を発揮した」と語る。
川野さんは「結果を出せずに悔しい思いもした3年間だった。楽しさも多く、粘り強さも身に付いた。これからの人生に生かしたい」と笑顔を見せた。