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佐賀市中心街にある県内唯一の百貨店「佐賀玉屋」で27日、南館7階のレストラン街の営業が終了した。新型コロナウイルス禍の影響を受けた運営会社の撤退により、43年の歴史に幕を下ろした。最終日には多くの家族連れがファミリーレストランなどに足を運び、「思い出がいっぱいです」「さみしくなる」と名残を惜しんだ。
「ハンバーグセット」「ミートソースのスパゲティ」「桔梗弁当」…。訪れた人たちは午前10時半の開店前から行列をつくった。慣れ親しんだ味を求めてレストラン街の四つの店舗へ並んだ。最後の機会にと来店した長尾崇良さん(76)は=佐賀市=は「妻と一緒に毎週来ていた。買い物をして食事をするのが楽しみで、スパゲティが特においしかったよ」と話した。
玉屋は1980(昭和55)年に南館がオープン。「子どもの頃に連れて来てもらった」と懐かしむ声が口々に聞かれた。佐賀市の永岡美智子さん(84)は「働いて子育てをしていた頃に週に一度、娘たちと来たのが思い出。また1週間頑張ろうと思えた」と懐かしんだ。食事を終えた客と従業員が「また食べたいです」「お世話になりました」などと言葉を交わす姿も見られた。
パスタなどを提供する「イタリー ボン」で長年、腕をふるった店長は「多くの出会いがあって、ありがたい。最後は次から次へと来てくれてうれしかった」と笑顔を見せた。佐賀玉屋は今後のテナントに関し「未定」としている。レストラン街の終了は運営元の玉屋食品(本社・福岡市)が飲食事業部を廃止するためという。 (中島幸毅)
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