全国の福祉関係者が地域福祉の課題について議論する「第28回地域福祉実践研究セミナー」が24~26日、佐賀市のアバンセなど県内8会場で開かれた。県内で開催されるのは初めてで、ひきこもりの人や生活困窮者への支援など幅広いテーマで意見を交わした。
武雄市の認定NPO法人スチューデント・サポート・フェイス(SSF)代表理事の谷口仁史さんが初日に基調講演した。谷口さんは、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で社会的孤立状態にある人の割合が最も高く、コロナ禍で小学~高校の自殺者数が過去最多を更新したことに触れ、「日本は孤立大国」と指摘。力を入れているアウトリーチ(訪問支援)に関し「相談を待つのではなくアウトリーチをし、社会復帰までの道のりを伴走することが大事」と訴えた。
その後のシンポジウムには谷口さん、佐賀西部コロニー多良岳福祉園施設長の中尾富嗣さんらが登壇。25日の分科会ではひきこもり支援のほか被災者支援、福祉教育などについて議論を深めた。最終日には佐賀県内での実践をテーマにシンポジウムを行った。
セミナーは実行委員会とNPO法人日本地域福祉研究所が主催し、約500人が参加した。(松尾綺子)