馬ねぶた、炎に包まれ昇天 馬市まつり(青森・つがる市)閉幕

新田火まつりで炎に包まれ昇天していく馬ねぶた。雨の影響で大量の水分を含んだ約10台は燃えなかった=27日夜、つがる市

 青森県つがる市最大の祭り「馬市まつり」(実行委員会主催)は最終日の27日、市内で馬ねぶたパレードと新田火まつりを行った。昼過ぎからのパレードでは趣向を凝らした多彩な山車が市中心部を練り歩いた。夜の火まつりは、夕方の雨の影響で馬ねぶたになかなか火が付かず、一部しか昇天させられなかったが、観客は新田開発に尽くした無数の馬の冥福を祈った。

 パレードは馬ねぶた、仮装、踊りの3部門に計18団体1126人が参加。伊藤鉱業アリーナつがる(市総合体育館)前から旧警察署前までの約1キロを勇壮に練り歩いた。4年ぶりにコースに組み込まれた中心商店街の沿道は観客で埋まり、よさこいソーランなどの踊り、ゲームや映画が題材の仮装パフォーマンスに盛んな拍手を送った。馬ねぶた大賞には木造中学校が選ばれた。

 夕方、イオンモールつがる柏駐車場は一時激しい雨が降ったが、やがてやみ、予定通り火まつりを開催。厳かな雰囲気の中、土の精や巫女(みこ)役などの出演者がたいまつを掲げ、農耕馬の霊を鎮めたり慰めたりする儀式を行った。山車十数台に火が放たれたが、雨が染み込んだために燃えたのはわずか3台。それでも観客は馬の霊が昇天する様子を目に焼き付けた。

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