台風9号は再び北上開始 非常に強い勢力で
フィリピンの東海上にある台風9号は再び北寄りへと進路を変えました。28日午前9時現在、時速10キロで北東へと進んでいます。
中心気圧は955hPa、中心付近の最大風速45m/s、最大瞬間風速は60m/sと「非常に強い」勢力となっています。30日に沖縄の南の海上に達する時にもう少し発達する予想となっています。
台風9号、台風10号について気象庁や海外予報機関の進路予想をみていきます。
台風9号 気象庁
台風9号はフィリピンの東海上で向きをこれまでの南から北よりへと変えています。このあと北上してくる予想です。27日時点の予想では沖縄の南の海上で「猛烈な」勢力まで発達する予想でしたが、そこまでは発達しない見込みですが、非常に強い勢力で通過して台湾方面へと進む予想になっています。
一方、気象庁が発表している週間天気予報の支援図では、台湾付近へと進んだ台風9号が、その後も同じような場所にとどまり続けるような予想となっています。
台風9号 アメリカ海軍
気象庁の進路予想と同じような傾向です。最大風速の予想をみると31日に125ノットと、アメリカ海軍も台風9号がかなり強い勢力で沖縄の南の海上から台湾の南へ進むと予想されています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
台風9号 台湾を通過後の進路は不確実性が大きい
気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」を意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表します。
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
気象庁は台風の進路予想についてアンサンブル予報の結果は公表していません。そこで、一般にも公開されている海外の予報機関の結果を参考にみていきます。
台風9号 ヨーロッパ中期予報センター
ヨーロッパ中期予報センターが公開している10日先(240時間先)までのアンサンブル予想結果です。
これをみるとフィリピンの周辺海上に位置した後、台湾周辺を通過後に中国大陸方面へむかうデータが多いことがわかります。
台風9号 アメリカ海洋大気庁
一方、アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予想結果(240時間先)では台湾方面へ向かったあと、あまり進路が定まっておらずバラバラとなっています。9月に入ってからの動きはまだかなり不確実性があります。今後の最新情報に注意が必要です。
台風10号 気象庁&欧米の進路予想は
台風10号 気象庁
台風10号 アメリカ海軍
気象庁やアメリカ海軍の進路予想はほぼ同じような傾向で、このあとは次第に北東へと向きを変えて日本列島から離れていく予想です。気象庁の予想では30日までには温帯低気圧へと変わる見込みです。
台風10号 ヨーロッパ中期予報センター
台風10号 アメリカ海洋大気庁
台風10号についての欧米予報機関のアンサンブル予報の結果をみても、今後は日本から離れていく予想です。