損保ジャパン、値上げ延期 自動車保険料、不正請求問題で

損害保険ジャパンのロゴ

 損害保険ジャパンが来年1月に予定していた自動車保険の保険料の値上げを延期することが28日、分かった。中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の不正請求問題で、金融庁は密接な関係にあった損保ジャパンを重点的に調べている。歴史的な物価高で値上げは不可避な情勢だが、先送りせざるを得ない状況に追い込まれた。

 自動車保険の収支は部品代や工賃など修理代の上昇で悪化している。交通量の回復で事故が増加している上、台風やひょうなど頻発する自然災害による被害も大きい。ビッグモーターとの癒着が指摘される中での値上げは、消費者の理解を得づらいと判断したもようだ。先送りによる影響は大きく、値上げは来年度中の可能性を模索しているとみられる。

 金融庁は損保ジャパンに対し、37人の出向者が不正を認識していたかどうかなどを8月末までに報告するよう命じた。保険業法に基づく立ち入り検査を9月にも行う方向で検討している。

© 一般社団法人共同通信社