無料で食品提供、親子70組に 子ども食堂がフードパントリー 人集め自体が目的になってはいけない理由

フードパントリーで食品や日用品などが配られた=20日、朝霞市本町の保健センター(同子ども食堂提供)

 「わ・和・輪の会 子ども食堂」(埼玉県朝霞市)は20日、朝霞市の保健センターで朝霞子育て応援フードパントリーを行った。子育て世帯を中心に約70組の親子が来場。企業や社会福祉協議会などから寄贈されたコメや調味料、缶詰などを提供した。

 埼玉新聞社が実施する「埼玉新聞こども食堂応援プロジェクト」の一環で、今回の子ども食堂の取り組みに協賛した。同子ども食堂のフードパントリーは保健センターを含め市内3カ所で定期的に開催。今回の会場にはひとり親世帯が多く来場し、当日、取りに来られない親子には取り置きをして、後日手渡す対応もした。

 同子ども食堂は2016年7月から開始。代表の両角小夜子さん(75)は企業を定年退職後、福祉の仕事に就くも、町の中で地べたに座って孤食する子どもの姿を目にし、「子どもの居場所が必要だ」と感じ、自費で空き家になっていた居酒屋の物件を購入。子ども食堂を始めた。

 毎日、昼食を提供し、週に2、3日は夕食も提供。独居高齢者の食事支援にも取り組み、弁当配達も行う。大学生のボランティアが学習支援にやってくる日もある。

 今や多世代の交流の場になっているが、両角代表は「人を集めること自体が目的になってはいけない。一人一人抱える問題は違う。その子にあった対応をし、悪い方に行かないよう見守らなければ」と話していた。

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