NECとNXHD、フォークリフトの自律遠隔搬送ソリューションを共同開発。後付けのため保有アセットが活用できる

本ソリューションは、アクチュエータ、カメラ、センサなどを既製のフォークリフトに後付けすることで、シミュレーションによる状況に応じた搬送ルートの自動設計や安全性を確保したフォークリフトの自律遠隔搬送を可能なる。

さらに、複数拠点にある複数台のフォークリフトを遠隔から少人数で集中管理できるようにすることで人手不足を解消し、安全性の向上など持続可能な物流が実現できる。既製のフォークリフトに後付けすることで自律遠隔搬送を実現するソリューションは国内初という。

物流業界においては、少子高齢化による人口減少に加え、2024年のトラックドライバーに対する時間外労働規制の強化により、トラックドライバーや倉庫内スタッフなどの労働力不足が将来的に見込まれることから、障がい者雇用の拡大や物流の効率化が喫緊の課題となっている。

NECは、顕在化する社会課題やお客様課題の解決を目指し、NECが保有するノウハウや技術などを集結させて、課題をスピーディかつ高品質に解決するDXオファリングの創出に、パートナーとの協業を通じて取り組んでいる。NECは本ソリューションを、2024年以降、NECが提供するDXプラットフォーム「NEC Digital Platform」へ搭載し、展開を目指す。

NXグループは、長期ビジョン実現のため「持続的成長と企業価値向上のためのサステナビリティ経営の確立」に向けてDXを推進しており、倉庫業務とオフィス業務の両面からオペレーションの改善や自動化を図ることで、物流事業の効率化に取り組んでいる。NXグループは本ソリューションへの取組みを通じ、人とデジタルが調和した効率的かつ高品質な物流ソリューションを提供している。

今後両社は、NXHDの知見を活かしつつ、倉庫内での実証実験から得たフィードバックを反映させ、本ソリューションの早期事業化を目指す。また、在庫管理や入出庫管理を含む倉庫管理システムとの連携を図ることで、棚卸管理まで含めて物流倉庫の自動化を推進していくとしている。

なお、本ソリューションは「国際物流総合展2023 第3回 INNOVATION EXPO」(会期:9/13(水)~15(金)、会場:東京ビッグサイト)において、NECおよびNXHDのブースで紹介するという。

フォークリフトの自律遠隔搬送ソリューションの特長

安全かつ高効率な自律制御による入出庫作業の自動化

これまで人が行っていた搬送ルート設定を、物流倉庫内の映像データをもとにシミュレーションを行い自動設計する。これによりソリューションの導入期間を短縮します。また自律制御時には、フォークリフトに搭載したカメラやLiDARなどのセンサでセンシングした周辺の状況をもとにリアルタイムにルートの見直しを行い、環境の変化にも柔軟に対応する。

さらに、NECが開発した「リスクセンシティブ確率制御技術」を活用することで、搬送ルート上の障害物や人などへの衝突リスクを把握し、状況に応じてフォークリフトの速度を制限速度内で自動調整する。これにより、安全を確保しつつ生産性改善できる。

複数台のフォークリフトを遠隔から管理・操作可能

全てのフォークリフトのカメラ映像やセンサ情報をクラウドに集約し分析、制御することで、複数拠点にある複数台のフォークリフトを倉庫外からも管理・操作できる。これにより、労働力の集約と1人あたりの作業効率の向上に貢献し、安全で快適な労働環境が可能だ。

既製のフォークリフトを活用可能

既製のフォークリフトに、レバー、ハンドル、ペダルを制御するアクチュエータと、カメラやLiDARなどのセンサを後付けすることで自律遠隔制御対応を実現する。一方で倉庫にカメラやセンサなどの追加設置が不要なため、既に保有しているフォークリフトを有効活用し、早期導入が可能だ。

また、物量や需要に応じて作業内容を変更できるよう、自律制御、遠隔操縦、搭乗操作を簡単に切り替えできる。

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