大田原の「与一太鼓」、30周年で記念コンサート 「勇壮な演奏届けたい」

記念コンサートに向けて練習に打ち込む会員

 【大田原】那須与一(なすのよいち)伝承館を拠点に活動する創作太鼓団体「与一太鼓」は9月2日、設立30周年記念コンサートを本町1丁目の那須野が原ハーモニーホールで開催する。平山文夫(ひらやまふみお)会長(72)は「『継続は力なり』との思いでやってきた。多くの人に勇壮な演奏を届けたい」と話している。

 与一太鼓は1993年7月、与一をたたえ新たな伝統文化の創出を目的に設立された。発足にあたり、旧黒羽町出身で和太鼓作曲家の故藤田正典(ふじたまさのり)さんが、「扇の的」など与一の伝説を表現した太鼓組曲「与一太鼓5楽章」を作曲。98年には長野冬季五輪の入場行進曲の一部として採用されたほか、2000年には初の海外公演を台湾で行うなど活動の幅を広げてきた。

 現在は、小学校低学年から70代まで約60人が所属する。月1回の定期演奏会をはじめ、市内外の各種イベントで太鼓の音を響かせている。

 設立当初からの会員でもある平山会長は「練習場の確保が難しかった時期があったり、新型コロナウイルス禍で演奏会が中止になったりしたこともあった。何とか続けてこられた」と30年間の活動を振り返る。

 26日の練習では、会員約20人が本番に向けて真剣な表情でばちを振るっていた。会員の石崎秀一(いしざきしゅういち)さん(49)は「より良い演奏ができるように、細かい音の響かせ方まで調整している。『太鼓は楽しい』ということを伝えたい」と意気込んでいる。

 午後1時開場、1時半開演。入場料500円。前売り券(同額)は、同ホール、道の駅那須与一の郷、トコトコ大田原で購入する。

 (問)平山会長090.5413.3562。

記念コンサートに向けて練習に打ち込む会員

© 株式会社下野新聞社