氷見高ウニにすし職人助言 養殖時の餌を研究

中谷さん(右)から養殖ウニのプロジェクトについて説明を受ける綿貫さん=都内

 氷見高と富山県内の農業団体、射水市の若者グループ「とやまのめ」の連携によるムラサキウニ養殖プロジェクトで、養殖ウニのブランド化に向けて都内の一流すし職人とタッグを組むことが決まった。プロジェクトでは海藻を食い荒らす厄介者を駆除し、廃棄野菜を与えて育て、商品化を目指す。今後、プロの職人に味見してもらい「本当においしいウニ」としてブランド化していくための助言を受ける。

  ●都内高級店「やす秀」 秋に試食

 協力するのは、東京・四谷の高級すし店「後楽寿司 やす秀」店主の綿貫安秀さん。とやまのめの中谷幸葉代表が26日、同店を訪れ、氷見高生らと取り組む「ウニとやさいクルプロジェクト」について説明し、協力を求めた。綿貫さんは「素晴らしい取り組み。味については、しっかりジャッジしたい」と応じた。

 綿貫さんはウニについての知識が豊富で、テレビ番組などでも料理の審査員を務める。富山にも料理人らの仲間が多く、定期的に訪れている。とやまのめのメンバーのつながりで、協力を依頼した。

 プロジェクトでは、藻場が荒れる「磯焼け」を防ぐため、ウニを採取し、有効活用するために養殖している。富山市や射水市の生産者から提供されたコマツナやキャベツ、ミニトマトを餌に利用しており、餌によって変わるウニの味の違いを綿貫さんに吟味してもらう。よりおいしいウニを養殖するため、助言を参考にしながら、氷見高生が飼育方法について研究する。

 9月下旬に東京・池袋のサンシャイン水族館で養殖ウニを展示した後、綿貫さんに試食してもらう予定。一流の舌を持つ職人から太鼓判を押してもらうことができれば、商品としての価値も高まり、ブランド化につながる。綿貫さんは「現場も見てみたいし、駆除も体験したい」と前向きで、中谷さんも「いつかは綿貫さんに使ってもらえるウニにしたい」と意気込んだ。

採取したウニを観察する氷見高生と農業法人関係者=5月、氷見市薮田

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