24日午前、県庁で開かれた会議で、犀川ダムの放水量を抑制していることが分かり、枯れた犀川の写真を狙うため、午後、金沢中心部の新橋周辺に向かった。
確かに、川の流れは細い。珍しく川底の石がむき出しになっている。あれっ、見慣れない大きな鳥が餌をついばんでいる。黒いくちばし、赤く長い脚。なんと、コウノトリのようだ。
能登の水田や河北潟周辺では時々その姿を目にするが、県都の真ん中でお目にかかったのは初めて。個体識別の足環から、2021年4月に兵庫県養父(やぶ)市でふ化した2歳の雄とみられる。
いしかわ動物園(能美市)の担当者は「金沢中心部での目撃は聞いたことがない」と驚く。なぜ飛来したのか。「川の水位が下がり、餌となる魚や水生生物が見つけやすくなったのかもしれない」と推測した。
トキ放鳥推進モデル地区の能登では、トキと食性が似たコウノトリの飛来が相次いでいる。金沢のまちなかにも、コウノトリだけでなく、トキが飛来する日が来るかもしれない。(写真部長・永田行広)