宮古愛、貫くパンクロック 鈴木康夫さん、雷矢結成30周年

結成30周年を迎えた雷矢の鈴木康夫さん。地元愛を胸にパンクロックを鳴らす

 宮古市山口出身の鈴木康夫さん(52)=東京都杉並区=がボーカルを務めるバンド「雷矢(らいや)」は結成30周年を迎えた。東京を拠点に全国で走り続ける原動力は、地元愛。東日本大震災発生直後に支援に駆け付け、宮古での音楽イベントやライブハウス開設にも尽力した。古里の盛り上がりを願いながら「どう生きるか」をぶつけるパンクロックの道をひた走る。

 雷矢は今月、クラブカウンターアクション宮古「10周年」記念ライブで演奏した。思い入れの深いライブハウスの節目だった。オーナーの太田昭彦さん(55)と震災発生1週間後に避難所を回り、2011年6月には魚菜(ぎょさい)市場駐車場で開かれたイベントに出演。その打ち上げで構想が飛び出し、12年の完成に至った場所だ。

 大好きな地元のために動いた。段差だらけの東北道を北上。3カ月に1回は帰郷し、奮闘する友人を支援した。「まちが好きだから当たり前のこと」と事もなげに話し、相談役を務めるライブハウスについては「ジャンルは何でもいい。沿岸発の音楽がもっと出てほしい」と隆盛を願う。

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