遠野市の認定NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク(山里ネット、菊池新一会長)は本年度、高齢化が進む語り部の後継者を育成する講座を始めた。現役の語り部の口演を聴き、直接指導も受ける。来年2月まで15回以上受講すると、イベントなどの前座としてデビューでき、「むかし、あったずもな」で始まる口承文化の継承につなげる。
今月中旬に同市中央通りのとおの物語の館で開かれた講座には、看護師の及川真紀子さん(48)=附馬牛(つきもうし)町=と会社役員の佐々木美枝子さん(73)=中央通り=が参加。遠野昔話語り部の会(堀切初(はじめ)会長、会員11人)の菊池裕子さん(72)=青笹町=が観光客に語る様子を見学した。
同会のメンバーは、ホテルや観光施設で1人当たり年100回ほど口演しており、菊池さんは「同じ話でも語り部によって表現が違う。心からの言葉を使わないと相手には伝わらない」などとアドバイスした。
講座の問い合わせはとおの物語の館(0198.62.7887)へ。