乗り合いタクシーで「交通不便地区」解消へ 佐世保・日宇地区で社会実験 9月4日から

社会実験で使用するステッカーを貼り付けたタクシー(佐世保市提供)

 長崎県佐世保市は9月4日から、定期運行型乗り合いタクシー「すずかけ」を日宇地区に導入できないか探る社会実験を始める。日宇支所前を起点に日宇、大和両町方面を巡るルートを設定。乗降地点を決め、決まった時刻にタクシーが到着する。実験は11月30日まで。
 同地区は傾斜があり、国道との高低差は最大約70メートル。道路の幅員が狭く、公共交通機関が走っていない場所も多い「交通不便地区」となっている。こうした課題を乗り合いタクシーが補い、既存の公共交通につないで地域外に移動しやすくする。
 同地区での社会実験は2019年度に続き2回目。前回は、本格導入の基準となる「1運行当たり2人以上(1日6人以上)の利用」を満たさなかった。ただ、地区内の住民からは「買い物した荷物を持って、国道から離れた家に帰るのは大変。乗り合いタクシーがあれば便利」との意見があり、市や事業者、地元が協議し再度、社会実験を決めた。
 社会実験では、「日宇支所前」を発着点に、大和町を時計回りに走るルートと、「日宇支所前」と「黒髪バス停」を往復するルートがある。乗降地点は、それぞれのルートで12~15カ所設定し「大和町西龍橋」と「県営日宇団地」を新たに追加した。乗降地点と時間は市のホームページで確認できる。
 運行は午前10時台、午後0時台、午後3時台の3便。誰でも利用でき運賃は1人310円(小学生以下は160円)。月曜~金曜の平日に運行する。事業は同市の国際タクシーに委託。利用状況を見て本格導入できるか検討する。

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