【台風情報】台風11号沖縄直撃して東シナ海を北上か トリプル台風のあと “新たな熱帯低気圧”発生の可能性 気象庁&海外10日先までの進路予想

台風11号 沖縄を直撃後 東シナ海を北上か

29日午前の時点で日本の周辺には台風が3つ存在しています。このうち台風9号と10号は日本から離れていく予想になっています。

一方、28日午前に発生した台風11号は29日午前9時現在、フィリピンの東の海上にあって時速25km/sで西へと進んでいます。

28日午後9時の上空5500メートル付近の気圧配置をみると、台風11号の北側には太平洋高気圧が張り出しています。このため11号はしばらく北上はできずに進路は西寄りへと進む予想です。

気象庁進路予想(台風11号)

台風11号の気象庁の進路予想です。しばらく西から北西よりへ進んだあと、9月1日午前9時に沖縄地方周辺を中心とする予報円に達し、その後は進路を北よりに変えながら東シナ海を北上する予想となっています。

これは太平洋高気圧の張り出しが、9月1日以降にやや弱まる予想となっているため、台風11号が高気圧の縁に沿って北上するとみられるためです。

高気圧の張り出しが弱まれば予報円の東よりの進路を、強いままだと予報円の西よりのコースを通る可能性があります。台風が予報円のどこを進んでいくかは高気圧の張り出しの程度が一つのカギとなりそうです。

アメリカ・ヨーロッパの進路予想 西日本接近の可能性は

アメリカ海軍進路予想(台風11号)

アメリカ海軍の進路予想です。大まかなコースは気象庁と同じ傾向ですが、気象庁に比べてやや進行速度は遅い傾向となっています。

アメリカ海洋大気庁(台風11号)

気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」を意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表します。

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

アメリカ海洋大気庁の240時間先までのアンサンブル予想結果です。台風11号の進路の傾向は気象庁の進路予想とザックリとは変わりませんが、進路のブレ幅は非常に大きくなっていることがわかります。

ヨーロッパ中期予報センター(台風11号)

こちらも台風11号の進路予想のブレ幅は非常に大きくなっています。沖縄付近を通過したあと、そのまま西寄りに進んで中国大陸へ向かうのか、進路を北よりに変えて東シナ海を北上するのか、かなりブレ幅があるのがわかります。

3つの台風とは別の熱帯低気圧が発生?

一方、台風11号の南東側には雲が目立つエリアがあります。対流活動が活発となっている海域です。このあたりに今後、熱帯低気圧が発生する可能性はあるのでしょうか。

ヨーロッパ中期予報センターは、ある予想時刻の48時間以内に、その場所から300キロ以内を熱帯低気圧が通過する確率を公表しています。

8月31日21時の予想を見ると、日本周辺には台風9号・10号・11号に伴って確率が非常に高くなっているエリアがありますが、それらとは別にもう一つ、確率が高まりつつあるエリアが南の海上には確認できます。

9月3日までの予想になると、さらに確率が高まっていく様子がわかります。この海域に熱帯低気圧が発生する可能性があることを示唆しています。

台風11号の進路予想、さらに次の熱帯低気圧の可能性をみてきましたが、ここ数日、各国の予報モデルともスパコンの計算結果が出る度に結果が変わっています。台風や太平洋高気圧以外にも予想結果を左右する要素が色々とあるため予想が安定していません。

今後も進路予想は大きく変わる可能性があります。現時点では、特に沖縄周辺に達して以降の予想は参考程度に見た方が良さそうです。

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