青森県弘前市出身で同市名誉市民の洋画家・佐野ぬいさんが亡くなったことを受け、市は28日、市役所本庁舎正面玄関ホールと市民会館事務室に記帳台を設置した。9月1日まで。
市役所本庁舎では、佐野さんのポートレート写真とともに、市所蔵の絵画などを展示。市民会館では、佐野さんが原画を作成し、制作を監修したステンドグラス「青の時間」の下に、佐野さんの歩みを振り返るパネルを設置している。
28日は朝から、桜田宏市長や同市の書家吉澤秀香さん(91)らが記帳に訪れた。県立弘前高等女学校(現弘前中央高校)でともに学んだ吉澤さんは、市民会館で芳名録に自身の名前とともに「ぬいちゃん、淋しいよ」と記し、ステンドグラスを眺めていた。
市役所本庁舎で記帳した桜田市長は「とても穏やかで、芸術の話になると生き生きと目が輝く様子が印象的な人だった。佐野さんの思いを受け継いで育ってきた方々がこれからさらに活躍してくれることを期待している」と話した。
佐野さんは23日、慢性心不全のため東京都内の病院で死去した。90歳。