味の素冷凍食品九州工場(佐賀市諸富町)は、従業員同士のコミュニケーションを促そうと、「社長のおごり自販機」を設置した。社員が「ジュース買った?」と声をかけ合って自販機を利用しに行く姿が見られ、会話のきっかけづくりに一役買っている。
「社長のおごり自販機」は飲料メーカーのサントリー(大阪府)が企画した自動販売機。従業員2人が社員証を同時に自販機にかざすことで、それぞれ無料で飲み物がもらえる。
工場は新型コロナウイルス禍はマスクを外しての会話を制限していた。5月の5類移行を受けて緩和し、九州工場をはじめ6工場に7月からこの自販機を設置した。佐賀県内での導入は九州工場が初めて。飲み物の購入費用は半年間は本社が払い、その後も設置を続ける場合は工場で負担する。
九州工場では「のびチャレ自販機」という名前で、従業員の出入り口がある製造側の建物に1台置いた。おごり機能が働く時間や回数は各工場で設定でき、約320人の従業員全員が、月曜~金曜に1度だけ“おごって”もらえる。
製造管理グループの松枝光祐さん(53)と開発導入グループの末広志織さん(27)は「違う部署の人でも、まだ使っていない人を探して自販機に誘う」と話す。欲しい飲み物を決めて社員証をかざし、飲み物を選択。自販機に向かう前後も含め、なにげない会話が交わされるという。
江上勇二総務グループ長(48)は「自販機を通して話したことがなかった人同士が関わるなど、会話でのコミュニケーションが進んでいけば」と期待を寄せている。(草野杏実)