ポール・マッカートニー&リンゴ・スター、米ビルボード・チャートで新たな記録達成

ポール・マッカートニーとリンゴ・スターをフィーチャーした、ドリー・パートンによるザ・ビートルズの名曲「レット・イット・ビー」のカバーが、2023年8月18日から24日までに3,000DLを記録し、米ビルボード“Rock Digital Song Sales”チャートで2位、“Country Digital Song Sales”で15位、オール・ジャンルの“Digital Song Sales”で22位(いずれも9月2日付)にランクインした。その1週間前には、Xによる“Hot Trending Songs”チャートで3位を獲得している。

この楽曲は、11月17日にリリースされるドリーの30曲入りアルバム『ロックスター』に収録される。ザ・ビートルズのオリジナルは、1970年に米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で2週間首位を獲得した。

注目すべきは、ポールとリンゴ、あるいは故ジョージ・ハリスンと故ジョン・レノンを含む4人の元メンバー同士が、ザ・ビートルズとしてではなく名を連ねている楽曲で米ビルボードのソング・チャートに初めて入ったということだ。

以前あった類似の出来事としては、ポールとリンゴがクレジットされている『ヤァ!ブロード・ストリート』(Give My Regards to Broad Street)が、1985年に“Top Videocassettes Sales”チャートで17位、“Top Videocassettes Rentals”で30位を記録したことがあった(この両チャートは2010年に廃止された)。ポールとリンゴなどが出演しているこの映画では、ポールの架空の1日が描かれている。サウンドトラック・アルバムではリンゴが複数の楽曲でドラムを叩いているもののポールだけがクレジットされており、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で21位を記録した。

ドリーの「レット・イット・ビー」は、ザ・ビートルズのメンバー2人がクレジットされた楽曲として初めてソング・チャート入りしたが、バンドが1970年に解散した以降の別プロジェクトで元メンバーたちがコラボしたことは前にもあった。ジョージとポールとリンゴは1995年から96年にかけて、ザ・ビートルズの『アンソロジー』シリーズのためにジョンのアーカイブ曲をアップデートし、その3つのエディションがすべてBillboard 200で1位を獲得している。

リンゴは、1971年にBillboard 200で7週にわたって1位を記録したジョージのソロ・アルバム『オール・シングス・マスト・パス』の数曲でドラムを叩いている。この時代のミュージシャンは正式なクレジットを求めずに技術を提供することが多く、後に二人とも誰がどの曲で演奏したか覚えていないとインタビューで語っている。

また、リンゴはジョージのアルバム『クラウド・ナイン』でも一緒に仕事をしており、1988年にHot 100で1位を獲得した「Got My Mind Set on You」でも演奏している。この楽曲は、ザ・ビートルズの元メンバーによる最新のNo.1ソングとなっている。

リンゴとポールは『ブロード・ストリート』以外にも、長年にわたってお互いのアルバムに参加している。リンゴは1982年にHot 100で10位を記録したポールの「Take It Away」でドラムを叩いており、ポールは2021年のEP『ズーム・イン』に収録されているリンゴの曲「Here's to the Nights」に参加している。

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