金銭トラブル、「第三者ではない」調査委員…白岡の小学校でいじめ重大事態、市が報告書公表「理解欠いた」

「いじめ理解欠く」 白岡市、重大事態で報告書

 埼玉県白岡市内の小学校で女子児童が金銭トラブルなどを巡るいじめに遭ったとして、市は28日、いじめ重大事態について報告書をまとめ公表した。報告書は学校や市教育委員会の対応について「いじめに対する十分な理解を欠いていた」などと指摘。「被害者の心情に寄り添う視点を欠いていたために被害者保護者ともまったく協力関係が築けていなかった」とした。

 報告書によると、市内の小学校に通っていた6年の女子児童は2021年、クラスメートから金銭トラブルを巡るいじめに遭った。1万円を払わされたり、「キモイ、ウザイ」などと言われた。

 保護者が昨年3月、小学校に調査委員会の立ち上げを依頼。市は、いじめ防止対策推進委員10人を委員に選任したが、保護者から第三者ではないとの申し出があり、改めて弁護士、大学教授、臨床心理士の3人が選任された。8月に調査が始まり、約1年がかりで報告書が公表された。

 保護者の意見書によると、児童は市内の中学校に入学したものの、転校を余儀なくされた。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や適応障害の診断を受け、不登校だという。保護者は「知りたかった新しいことは何一つ書かれていない」と不満を述べている。

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