“AIが車を誘導” 警備員に代わるシステムで「人手不足解消」へ 県内で初めての実用化を目指す(静岡県)

道路工事現場で、警備員の代わりにAIが車を誘導するシステムのデモンストレーションが、8月28日、沼津市で実施されました。警備員の人手不足など、警備業界の問題を解消するため、静岡県内で初めての実用化を目指しています。

(白鳥 貴久 記者)

「AIの指示に誘導され、車が片側ずつ通行していきます」

LED板に表示された「進んでください」や「対向車あり止マレ」の文字。28日、沼津市寿町の東部自動車学校では、警備員の代わりにAIが車を誘導するシステムのデモンストレーションが実施されました。警備員の人手不足や巻き込まれ事故など、警備業界が抱える問題を解消しようと、沼津市の警備会社トーセイコーポレーションが、県内で初めての実用化を目指しています。

このシステムは、道路工事現場で警備員の代わりにAIが片側交互通行の誘導警備を行うもので、道路に設置すると、車両の通過状況や周辺の渋滞情報を自動的に取得。信号が切り替わる適切なタイミングをAIが判断し、通行車両を滞留させることなく誘導することができます。AI交通誘導システムを開発した担当者は、実用化が実現すれば「人手不足の解消に繋がる」と期待します。

( KB―eye 秋山 一也 代表取締役)

「きょうの形態であれば3~4人、通常の現場で警備員が必要。交通誘導員や警備会社から派遣して、3~4人体制でやるところも、システムを使えば、最低でも2人、場合によっては1人の運用も可能」

静岡労働局によりますと、2023年7月の「警備・保安」職業の有効求人倍率は7.90倍で、全体の有効求人倍率1.22倍を大きく上回り、人手不足は深刻な問題となっています。問題を解消するため、AI交通誘導システムの実用化に期待が高まりますが、安全性や実用性の面で、警察署の道路使用許可や国や県などから許諾が必要で、課題が残っています。実用化を目指すトーセイコーポレーションの杉山 喜乃社長は「デモンストレーションを通じ理解が広がってほしい」と話します。

(トーセイコーポレーション 杉山 喜乃 社長)

「47都道府県で数件の認可が下りている中で、簡単な事ではないと思っている。デモンストレーションを見てもらって、質疑応答もしてもらい、こうした会をして、皆さんに見てもらい、認可につながっていくのではないか」

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