正岡子規の新出句見つかる 「十のみかんをくひつくす」

俳人の正岡子規

 俳人正岡子規(1867~1902年)の新出句が見つかり、東京の子規庵保存会が29日、発表した。句は〈吾健にして十のみかんをくひつくす〉。病に伏していた時期の句だが、まだまだ食欲旺盛で元気なことを伝える内容だ。

 句は1897(明治30)年1月2日に、自宅を訪れた弟子や客らが一筆を寄せる「歳旦帳」と呼ばれる冊子に書かれ、たくさんのみかんの絵も添えられていた。別のページには「はつへの出」という文言とともに、子規とみられる人物が布団の上で屁をする絵もあり、いずれも筆跡などから自筆と判断された。

 調査に当たった神奈川大名誉教授の復本一郎さんによると、句と絵は即興で書かれたものと考えられ、「果物好きで知られる子規の健啖家ぶりがうかがえるとともに、客人をもてなすユーモアが感じられる貴重な資料だ」と話している。

 歳旦帳は、東京都台東区の子規庵で9月2日から10月1日まで開かれる「糸瓜忌特別展示」で公開される。

正岡子規の新出句とみかんの絵(いずれも左ページ)が書かれた歳旦帳

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