世界銀行が防災の国際会議を日本初開催 24年、姫路で 自然災害リスクを協議、阪神・淡路30年を前に

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 国連の専門機関である世界銀行(本部・米ワシントン)は、世界各国が自然災害リスクについて話し合う国際会議「グローバルフォーラム2024」を来年6月、兵庫県姫路市内で開くことを決めた。2010年に始まった同会議が日本で開催されるのは初めて。1995年に発生した阪神・淡路大震災から25年で30年になるのを前に、被災地である兵庫の経験を基に、災害への備えや強靱性の構築に向け各国が知恵を出し合う。

 世銀は第2次世界大戦後の経済復興のため、45年に設立された国際金融機関。189カ国が加盟し(8月24日時点)、途上国に開発資金を融資する。

 ワシントンで始まった同会議は2年おきに開かれており、姫路で8回目。「世界のどこに、どのようなリスクがどれくらいあるか」という評価を前提に、最新の取り組みや技術革新などを話し合ってきた。

 世銀で防災などを担当するグローバルディレクターのバニース・ファン・ブロンクホルストさんは、姫路市での開催を決めた理由を「阪神・淡路大震災を機に、世界も防災に対する意識が変わった。震災以降、積極的、先行的に防災に取り組む兵庫県で各国が学ぶことは多く、世界に影響を与えるだろう」と説明した。

 世銀東京事務所によると、会議は5日間の予定で、国内外から政府関係者や国際機関、災害の専門家、民間企業の経営者ら数百人が集う。一部の行事は神戸市内での開催も検討しているという。

 会場となる姫路市の清元秀泰市長は「参加者に姫路で開催してよかったと思っていただけるよう、全力で支援したい」とコメントしている。(末永陽子)

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