台風11号は強い勢力で沖縄地方を直撃か
日本周辺では9号、10号、11号とトリプル台風が発生していましたが、このうち日本のはるか東の海上にあった台風10号はが29日午後3時に温帯低気圧に変わりました。ただ日本の南海上には新たに熱帯低気圧が発生していて30日のうちに台風へと発達する予想です。次に発生すれば台風12号となり、日本周辺には再びトリプル台風となります。
その中で台風11号は30日午前6時現在、フィリピンの東海上をゆっくりと西へと進んでいます。このあと北よりへち向きを変えて沖縄方面を直撃するおそれが出ています。
気象庁
30日午前9時現在、台風11号の中心気圧は990hPa、中心付近の最大風速は30m/sで暴風域を伴うようになりました。このあと北西方向へ進んだあと、9月1日午前9時には強い勢力で沖縄の南の海域を中心とする予報円に達する見込みです。
沖縄地方を通過した後は、台風は進路を北よりへと変えながら東シナ海を北上する予想となっています。台風の通過にあわせて沖縄地方では大荒れの天気となるおそれが出てきています。
続いて海外予報機関の予想を見ていきます。
アメリカやヨーロッパも沖縄方面を通過予想
アメリカ海軍
アメリカ海軍の進路予想です。大まかなコースは気象庁と同じ傾向ですが、気象庁の予想よりやや進行速度が遅めとなっています。9月2日未明に最大風速は95ノットと予想されて発達のピークと予想されています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
このほかのアメリカやヨーロッパの海外予報機関の進路はどう予想されているのでしょうか。5日先よりさらにその後の傾向も含めて見ていきます。
アメリカ海洋大気庁
気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」を意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表します。
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
アメリカ海洋大気庁の240時間先までのアンサンブル予想結果です。こちらも沖縄方面へ進んだあとに東シナ海へと向かう傾向がみてとれますが、進路のブレ幅はまだまだ大きいことがわかります。
ヨーロッパ中期予報センター
こちらも沖縄付近を通過したあと、東シナ海を北上する予想データが多くなっています。ただ東よりを進むのか、西よりを進むのかはコースにかなりのブレ幅があるのがわかります。
沖縄付近に進んできてから後の進路予想には、かなりのブレ幅があることがわかります。台風の進路には太平洋高気圧の勢力だけでなかう、上空に寒気を伴う低気圧や偏西風の位置など、その他にも様々な要因が複雑に絡みあうため予想が非常に難しい状況となっています。
ただ少なくとも沖縄方面には強い勢力で接近または直撃するおそれが出ています。今後も最新の進路予想を確認して備えてください。