点訳・音訳 ボランティア募集 長崎県視覚障害者情報センター 9月から長崎、佐世保で養成講座

 視覚障害がある人たちの読書や情報収集を支えるため、県視覚障害者情報センター(松野雅子所長)は、本などの内容を点字にする「点訳」と、読み上げて録音する「音訳」のボランティアを募集している。それぞれの養成講座を、9月から長崎、佐世保両市で週1回開催。修了者は来年度以降、ボランティア団体などで活動できる。
 点訳や音訳をする対象は小説や教材といった出版物のほか、自治体広報誌や会議資料などさまざま。同センターは当事者らの依頼に応じ、県内各地のボランティア団体(点訳6団体、音訳12団体)と協力して「点字図書」や「音訳図書」を作っている。ボランティアにも一定の専門知識が必要だが、全国的に担い手の高齢化や減少が課題だ。
 養成講座ではこうした活動に必要な基礎知識を伝える。点訳は点字のルールや点字器の使い方、音訳では発声方法や読み上げ方などを指導。全10回の講座修了後も、希望者にはより実践的な内容の補講を行い、早ければ来年度から団体登録か個人登録のボランティアとして活動できる。
 松野所長によると、音訳図書などの支援サービスは現在、視覚障害者だけでなく寝たきりで本を開けない人や、文字が読めない人が活用するケースもあるという。「ニーズに広がりが出てきている。点訳や音訳のボランティアをライフワークとして長年続けている人もおり、一緒に活動してほしい」と呼びかけている。
 受講者は毎年募集しているが、過去3年は新型コロナ禍の影響で、一部が中止やオンライン開催に。音訳コースは今年が4年ぶりの対面開催となる。長崎市会場は同センター(橋口町)で、点訳が9月1日から毎週金曜、音訳は同20日から毎週水曜。佐世保市会場はボランティアセンター別館(花園町)で、点訳が同21日から毎週木曜、音訳は同22日から毎週金曜。いずれも時間は午後1時~4時。無料。開講前の申し込みが必要。申し込みは県視覚障害者情報センター(電095.846.9021)へ。

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