見過ごせぬ…「プーチン」の名を使い批判した議員、名誉毀損で捜査される「捜査すぐ中止を。これは論評だ」

「プーチン」の名を挙げ批判した町議、名誉毀損捜査中止求める

 埼玉県小鹿野町の岩田和幸町議(70)と同弁護人の清水勉弁護士は29日に会見を開き、岩田町議に対する名誉毀損(きそん)被疑事件の捜査を直ちに中止するように求める抗議文を、同日付で小鹿野署に提出したと発表した。

 清水弁護士によると、岩田町議は4月に発行した自身の活動報告に、町議2人の議会運営委員会での振る舞いを、「プーチン」の名を挙げて批判し、住民向けに配布した。町議2人は、この行為が名誉毀損罪に当たるとして、岩田町議に対する告訴状を小鹿野署へ提出。同署は8月2日に岩田町議宅を家宅捜索し、23日に被疑者として同署へ出頭するよう求めた。

 抗議文は「プーチンの名を挙げて批判したことは、論評に当たるもの。人身攻撃に当たるような極端な場合でない限り、名誉毀損罪に当たらない」などと指摘。被疑者として取り調べを行おうとすることは、議員活動に対する重大な妨害、抑圧行為であると訴えている。

 告訴状を提出した町議の一人は、埼玉新聞の取材に「現在も遂行している戦争指導者と同等に扱われるのは、平和を望んでいる一国民、議員として看過できない。この言葉が名誉毀損に当たらないのはおかしい」と話した。

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